注文住宅では階段間取りから自由に設計できるので選択に迷うと思います。この記事では理想の階段間取りを作るために必要な各種階段のメリット・デメリットを考察します。

リビング吹き抜け階段をスケルトンで、、、
憧れるけど不採用だ!

まぁ仕方ないよね
吹き抜け階段にするにはデメリットが大きいからね。

普段は思いつきと勢いにまかせるご主人たちですが、リビング階段には及び腰なのですね・・・それだけ難しい間取りなのでしょうか?
お品書き
階段は家の中心?実は苦戦しやすい階段間取り
へーベルハウスで設計の打ち合わせを検討中の皆様はLDKや主寝室などを重点的にこだわりのある間取りを作成したい思いがあるかと思いますが、実はすべての間取りに優先して決めておきたい場所があります。
それは玄関の場所や階段の場所、つまり移動の始まりに当たる場所です。
階段を中心に位置させればすべての部屋から移動は楽になりますが、リビング階段のデメリットを考えた設計をしなければいけません。
逆に階段を家の端に位置させれば、LDKの配置を自由に設計しやすくなりますが、2階の間取りが制限されたり、最も遠い部屋からの移動が億劫になります。
我が家では当初、Uターン型のリビング吹き抜け階段を設計しておりましたが、諸々の理由で吹き抜けはなくなり、直線型のドアを設置するタイプのリビング階段となりました。
この諸々の理由がなかなか厄介で、階段は最終間取りまで悩みました。
今回の記事ではそのときの反省点を含めて考察を掘り下げたいと思います。
※リライト時にわかりやすいカタログ写真を引用しようと思います。文字だけでは伝わりにくいかもしれませんがご容赦ください。
へーベルハウスで採用可能な階段
へーベルハウスで採用可能な階段にはいくつか分類してみました。
- 階段の形状
- 階段の踏み幅と踏み面
- 階段間取りの種類
これらを組み合わせで考えていくと使い勝手の良い理想の階段ができると思います。
階段の形状には以下の4つの分類があります
- 直線階段
- Uターン階段(折り返し階段)
- 90度回転するもの(折れ階段)
- らせん階段
Uターンあるいは90度回転するものでは踊り場の有無を考えます。
その形状には以下の3つの分類があります
- 1段あたり30度曲がる(回り階段)
- 1段あたり45度(吹き寄せ階段)
- 踊り場つき階段
たいていのおうちでは13段~15段です。
踏み幅にゆとりを持った場合、180度の折り返し階段では2.5畳分(180㎝×225㎝)の空間が必要です。一方で直線階段の場合は90㎝×450㎝の廊下分の空間が必要です。
LDKとの兼ね合いでどのように設計するかは変わりますが、設置しやすい方を選ぶというのが一つの判断基準かと思います。
直線階段のメリット・デメリット
○直線階段のメリット
直線階段は間取り設計の上で廊下感覚で作図できるので簡単です。
階段下にスペースが広く取れるため、収納にしたり、観葉植物を置いたり、作業スペースにしたり、ピアノを置くこともできます。(我が家ではピアノを置いています。)
○直線階段のデメリット
お子さんがいる家庭でしたら直線階段が踏み外した時のケガのリスクも大きいかもしれません。そもそも階段自体もリスクですが…
リビング吹き抜け階段として使うのであれば、かなりの存在感が出ます。モデルルームを真似してリビング吹き抜け階段をつくってみたら、階段が主役に見えてしまったなんて失敗談も聞きました。
Uターン階段のメリット・デメリット
○Uターン階段のメリット
Uターン階段のメリットは直線型のデメリットであった主張が控え目になる点、子どもがもし転落しても最大6,7段までの高さというリスクコントロールの点です。
Uターン型なら吹き抜けにスケルトン階段という特別仕様でも無理なくおしゃれ感が出せると思います。(僕も当初はスケルトンのリビング吹き抜けが良いなぁと思っていました。)
○Uターン階段のデメリット
階段下スペースは控え目なので大きな観葉植物やピアノは置けません。収納は半地下的な収納になります。
○Uターン階段の踊り場
ここで踊り場問題が出てきます。
通常踊り場とは平坦な長方形のスペースを指します。
回転に1ステップあたり30度、45度というものがありますが、これは踊り場とは言いません。
大人だけなら踊り場が無くても良いかもしれませんが、子どもだったり高齢になった時には必要になるかもしれません。
折れ階段のメリット・デメリット
折れ階段とは直線階段に近い感覚ですが、入口出口を変える効果があります。
直線階段とUターン階段がおけない間取りで採用されている印象がありました。
情報が少なかったので、この階段様式については担当設計士さんと相談して決めていただきたいと思います。
へーベル標準階段の踏み面は狭い
踏み面が狭いとは、足を載せる面が狭い=傾斜が急だということです。
引渡し前の完成見学会で一般的なへーベルハウスの階段を上ってみてください。大人でもかなり急に感じると思います。
当時5歳の娘は階段を降りるのが怖くて座っておしりから降りたものです。
へーベルで選べる踏み幅と踏み面
参考までにUターン階段にはこのような仕様があります。
縦幅(踏み面×段数) | 横幅(踏み幅×2) | |
標準仕様 | 1830㎝ | 1830㎝ |
標準21Uターン | 1830㎝ | 2135㎝ |
ロングUターン | 2440㎝ | 1830㎝ |
ロング21Uターン | 2745 | 2135 |
踏み幅は横幅に当たるので、90㎝(大人二人がギリギリすれ違える通路レベル)あれば十分かもしれませんが、21Uターンであれば105㎝(大人が余裕をもってすれ違える通路レベル)なので確実ですね。
大型家電家具を施工後にクレーンではなく階段から搬入したい場合は、21Uターン階段が必要です。
例えば我が家では洗濯室が2階なのでドラム式洗濯機を2階に運んでもらいました。
家電家具のために階段をつくるわけではありませんが、物を持って運ぶという見方も階段には大事かもしれません。
文字どおりリビング内にある階段です。
最近の注文住宅のモデルハウスの多くがこの様式を採用しているのではないでしょうか?
モデルハウス風にしたいのなら吹き抜けリビング階段一択ですが多くのデメリットを克服する必要があるかと思います。
我が家では採用を諦めました。以前の記事で詳細を書いていますので、そちらも参考にしてみてください。
○リビング階段に関する検討記事はこちら


デザイン的には昔からありますよね。
のび太(ドラえもん)の家、しんのすけ(クレヨンしんちゃん)の家もたしか玄関もしくは玄関ホール階段だったのではないでしょうか?
彼らの家はリビング・ダイニング・キッチンもそれぞれ独立した形なので時代背景がわかりますね。
玄関階段というのは、構造上は玄関の冷気と階段の効果で寒い間取りです。
ところが、最近では玄関+吹き抜け階段+LDKという開放感のある家もあります。これは気密性・断熱性の高い家が技術的に可能になった影響かと思います。
昔は寒さがネックとなった階段間取りですが、最近は家自体の性能が上がっため、開放感とプライバシーの確保が階段間取りに重要になってきていると思います。
断熱・気密のイマイチな(一条工務店などと比較して)へーベルハウスにおいて玄関階段間取りを採用するか否かは何とも言えませんが、空調にはがんばって働いてもらう必要があるかなと感じます。
理想の階段間取りのまとめ
階段は移動の要ですので、玄関からどのように移動するのか、動線を考えつつ機能的にも大事にしたいものです。
そのうえでどんなオシャレな階段にするかを考えていくと階段間取りで大きな失敗を感じることはないかなと思います
〇泣く泣くリビング吹き抜け階段をやめた理由はこちら

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お読みいただきありがとうございました。

階段間取り、参考になりましたでしょうか?

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