
神間取りシリーズも5回目となりました。
これまでの記事を読んでいただいた方はだいぶ間取りについての考え方の土台ができてきたのではないでしょうか?
今回は、より実践的な内容で間取りを考える方法をお伝えします。
ハウスメーカーの見積もり時の間取り図、第3回でご紹介した一括間取り作成サイトで依頼・作成してもらった間取り図には弱点があります。
それは土地要素を無視しているという事です。
いくら図面では住みやすい間取りであっても、土地の形状や隣家との距離などにより細かな点がずれていくからです。
勿論土地をすでに持っているご家庭であれば、土地の特性を織り込んだ図面ができるとは思います。ですが多くのご家庭では土地探しとハウスメーカーを一緒に探していますよね?
今回の記事では、作ってもらった間取り図を実際の土地と合わせて、立体として考える見方をお伝えします。
☑間取り図をたくさん見て目が肥えた方
☑さらに実践的な間取り図の見方を学びたい方
☑土地選びについても少々詳しく知りたい方
お品書き
これまでの神間取りシリーズ




間取りが先か?制限が先か?
ここまで神間取りシリーズを読んでくださった方ありがとうございます。
いま手元に間取り図は何枚くらいありますか?
本や一括間取り作成サイトを利用していれば、かなりの数の間取り図が手元にあるのではないでしょうか?
その間取り図は残念ながら全く役に立ちません。
『本を買わせておいて何だ?』 『間取り作成サイトに登録したのにそれはないだろ!』という声が聞こえてきそうですが、事実です。
家づくりを試験に例えるなら、その間取り図はあくまで過去問です。今年の入試問題を解くには過去問の答えだけ覚えていても仕方ありませんよね。過去問を解くのは問題に対する考え方を身につけるためです。
家づくりも同じです。
参考にしたい間取り図を丸パクリしたからと言ってすべてが同じ結果にはなりません。間取り図を集めてもらったのは実際の家づくりのときに、問題点と理想のギャップを埋める応用力を育むためです。
ここからは実際の土地、住まい方、家族構成などの制限を間取り図に落とし込まなければいけません。そのために『理想の家10か条 』 『間取り作成サイト』の利用を提案してきました。
間取りを制限する5つの要素
間取り図は全く役に立たないと言いましたが、間取りアイデアは役立ちます。
幅広いアイデアをストックしておくことで、以下に示す間取りを制限する要素を回避する手段となるからです。
結局のところ、土地が決まらない事には何も始まりません。
それは道が敷地から見てどの方角にあるのかで玄関の位置が変わるからです。
隣家が近い狭小住宅であればさらに綿密なデザインが必要になりますね。
また、戸建には北側斜線や建蔽率などの特殊なルールが存在します。
他にもカーポート・物置・庭など外構はどうしますか?
土地と一口に言っても様々な要素がありますね、これらをクリアして快適な間取りづくりを行いましょう。

風水や家相も間取りを制限する要素ですね。
我が家では風水を無視しています。
まぁそれなりに根拠のある風水・家相の要素もあるのですが、論理的に考えて不要なものは無視して構いません。

とはいえ、2世帯住宅を考えるなら親世代の考え方も尊重しないといけませんので、よくよくご相談くださいね。
どんな住まい方をしたいのか?という問いかけに答えられますか?
もし答えられなかったり、一度も考えたことがなかったら、家づくりは早いかも?
住まい方とは理想です。
災害に強い家に住みたい、開放的な家に住みたい、温度湿度ともに快適な家に住みたいといった住まい方の方向性は間取りに大きく影響を与えます。
同時に『このハウスメーカーではそれは叶わない』という明らかな条件もありますので、住まい方はハウスメーカー選びの前に想定しておきたいものです。
最もイメージしやすいところでは木造と鉄骨の違いですね。
この項だけで10記事分くらい書けそうなので、ここでは割愛します。
間取りに大きくかかわるところでは、一般的に鉄骨の方が柱が少なく開放的になり自由度は高いと言えます。その分コストはかかるのですが・・・
実はこれが最も大きい制限ですよね。
間取りは単純に広くしたほど高くなります。
坪単価はあくまで目安でしかありませんが、自分の建てたい家がどの価格帯にあるのかは契約前に知っておきたいところですね!
制限を克服する考えの身につけ方
こうした制限は実際に建物を建てる細かな条件が整って初めて課題となってきます。
つまりぶっつけ本番で臨む場合がほとんど、我が家の場合の間取りづくりをしながら学んでいったというのが本音です。なので1年以上間取りの打ち合わせに時間をかけさせてもらったというわけですね。
最初に家づくりを試験に例えましたが、試験問題をいきなり渡されて解ける受験生はいませんよね?高得点を取って結果に満足するにはそれなりの準備期間が必要となってきます。
では家づくりにはどんな準備と勉強が必要なのでしょうか?
今回僕がオススメする間取りの見方は以下の3ポイントです。
- 批判的かつ肯定的に見る
- 立体図に考えて見る
- 道路・駐車場から動線を考える
これら3ポイントを意識しながら間取り図を眺める事で、与えられた間取りの改善点が見えるようになったり、自分で間取りをデザインできる下地ができてきます。
批判的というのは何となくイメージできますか。
このリビング部分をもう少し広くした方が・・・とか、家事動線的にドアを引き戸の方が・・・といった感じでしょうか。これはみんな何となくやっていることかと思います。
ですが、本質的には少し違って、上の流れはすべて批判的な考察の結果に対する言及です。『なぜこの間取りを提示されたのかという妥当性を評価すること 』が批判的な考察です。
4人家族のリビングの広さを例題にするなら、一般的には最小6帖必要といわれているが、提示された間取り図では7帖でした。この1帖分の広がりは何を意図しており、その妥当性はどこにあるのか?といった問いかけが批判的考察です。
批判的考察に対して、理想とする生活スタイル『広めのリビングにゆったりしたソファを置いて、吹き抜けも作り、空間の広がりを大事にする 』 というコンセプトにマッチングしていれば、その間取り図は肯定的に受け入れて良いと判断できます。
こういった批判的・肯定的考察を間取り図の隅々まで考えていくと、制限に負けない間取り図づくりの力が育まれていきますよ。
面倒だと思いますか?ならやってみてください、人は面倒なことを達成したときに成長できます。
間取り図を立体的に見るとはどういうことなのか?
これは僕も最後の方でわかった事なんですが・・・
我々は平面の中に住むわけではないですよね?現実の居住環境には光、風、人、物、機能、移動など様々な要素が出入りしています。
立体的に考えるというのは、間取り図の情報に上記の情報を超具体的に付け加えていくことで、実際の生活を妄想するという試みです。
妄想と言いましたが、そこまで一生懸命にならなくても、3D画像の構築は間取り作成のフリーソフトで制作可能です。
☞3D作成可能なフリーソフト『e-house版設計倶楽部』
日差しや風向シミュレーションは高額なソフトが必要ですが、一般的な風の通りと窓の関係は知識でも賄えます。日差しについては流石に打ち合わせの段階でプロの意見を参考にしたいところですが、土地購入したら現場に足を運んで朝昼晩の日当たりぐらいは把握しておきたいものですね。
☞ プロが使う高額ソフト『3Dマイホームデザイナー』
ちなみに『3Dマイホームデザイナー』では外構もデザインできます。家づくりの後に外構を別業者に依頼したいときも使えます。
動線は家の中だけのもの、そう考えていた時期が僕にもありました。
どういう事かというと、家に入る前から動線は始まっているということです。1日に2回以上、必ず通るのは玄関ですよね。(おこもりや出張は例外ですよw)
この玄関からの動線が快適でないという失敗談や後悔例がネット上に溢れています。それくらい大事なのに軽んじられがちなのが、屋外の動線、特に玄関まわりなんです。
本の間取り図はたいてい、パーツごとに紹介されており家や外構・道路まで掲載されているページは少ないものです。
間取り作成サイトも土地の情報が不足しているため、屋外のイメージは省略されています。
間取り図を見る時に最適な道路と玄関アプリ―チがどこにあれば動線がスムーズかを考えていると、逆算で道路☞玄関アプローチ☞屋内という動線をスムーズに描けるようになります。
間取り打ち合わせ本番までに練習しておくことをオススメします。
間取りの制限要素を理解・克服する方法のまとめ
やや抽象的な表現が多くて申し訳ありません。
ですが、間取り作成で苦戦した僕たちが、打ち合わせ中に成長してきた要因について分析した結果なので、早いうちからマネしていただければ間取り作成をスムーズにかつ満足できる間取りをつくれると思います。
この記事片手に間取り図とにらめっこしてもらえれば、それだけで成長できると思いますのでチャレンジしてみてくださいね。

今回の記事はいかがでしたでしょうか?
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